日中あさひかわ2026年3月号
「親日」と「反日」 巻 頭 言
旭川日中友好協会事務局次長 岡 田 健太郎
「敵か、味方か」「利益になるか、ならないか」
「高齢者か、若者か」「日本人か、外国人か」世の
様々な事象を、二つに区切って考え、自分の意に沿
わないものはトコトン悪魔化する。人間たるもの、
はるか昔からそういう傾向にはあったのかもしれな
いが、SNSの時代になり、自分が好きな情報、嫌い
な情報を容易に選別できるようになったことで、こ
の傾向がますます顕著になってきた。
そうした極端な二元論の中で、近年インバウンド
旅行者や、外国人研修生の増加とともに、「親日
国」や「親日的」、「反日国」や「反日的」という
表現を、耳にする機会が増えてきたように思う。曰
く「あの国は親日的な国民性なので受け入れやす
い」「あの国は反日だから、日本に来ないでほし
い」などだ。恐らく、使っている方は、何の悪気も
なく発していると思うが、私はその言葉を聞くたび
に、強い違和感を覚える。
まず、「親日国」「親日的」という表現につい
て。これは、日本を好いてくれるのだから、良いで
はないかと思う方もいらっしゃるかもしれない。し
かし、こうした表現は、必ず「反日的」「反日国」
という概念と対比し、その存在を意識しながら使わ
れるケースが多いと感じている。「あの国は親日だ
からよい、それに引き換えあの国は…」リアルでも
ネットでも、よく聞くフレーズだ。
ではその「反日国」「反日的」といった表現はど
うか。私は、ある人に反日国とみなされた人たちの
全てが「日本にまつわるもの全てが嫌いか」と言え
ば、決してそのようなことはないと思っている。個
人単位でみれば、好きと嫌いの間には様々なグラ
デーションがある。日本のこの分野は好きでも、こ
の分野は嫌い、ということもあるだろう。逆に言え
ば、それは「親日国」と見なされた人たちもそうだ
ろう。その人たちが、日本の全てを肯定しているか
といえば、決してそうではないはずだ。
結局のところ、私がこうした表現に違和感を覚え
るのは、人を人として見ていないからだろう。個人
の属性を切り分け、そのうちのたった一部分の属性
のみで、人を判断する。そして、その判断材料にな
るべき情報源は、極論化、先鋭化が顕著になってい
る。そうした先に、果たして何が待っているのだろ
う。
私は、以前の部署で青少年交流に携わり、そこで
他国の青少年と交流する中で、当初持っていた印象
が大きく変わり、ひいては人生まで変わっていった
青少年を知っている。「国」という属性ではなく、
その国に住む「人」を見る大切さ。そうした姿勢
を、彼らから学んだ気がする。
そして、属性ではなく、人と人として対話し、理
解し、そのうえでなお、その人が嫌いなら、その時
は堂々と言えばよいのだ。「俺」は「お前」が嫌い
なのだと。自分を主語にして、堂々と。
旭川日中友好協会事務局次長 岡 田 健太郎
「敵か、味方か」「利益になるか、ならないか」
「高齢者か、若者か」「日本人か、外国人か」世の
様々な事象を、二つに区切って考え、自分の意に沿
わないものはトコトン悪魔化する。人間たるもの、
はるか昔からそういう傾向にはあったのかもしれな
いが、SNSの時代になり、自分が好きな情報、嫌い
な情報を容易に選別できるようになったことで、こ
の傾向がますます顕著になってきた。
そうした極端な二元論の中で、近年インバウンド
旅行者や、外国人研修生の増加とともに、「親日
国」や「親日的」、「反日国」や「反日的」という
表現を、耳にする機会が増えてきたように思う。曰
く「あの国は親日的な国民性なので受け入れやす
い」「あの国は反日だから、日本に来ないでほし
い」などだ。恐らく、使っている方は、何の悪気も
なく発していると思うが、私はその言葉を聞くたび
に、強い違和感を覚える。
まず、「親日国」「親日的」という表現につい
て。これは、日本を好いてくれるのだから、良いで
はないかと思う方もいらっしゃるかもしれない。し
かし、こうした表現は、必ず「反日的」「反日国」
という概念と対比し、その存在を意識しながら使わ
れるケースが多いと感じている。「あの国は親日だ
からよい、それに引き換えあの国は…」リアルでも
ネットでも、よく聞くフレーズだ。
ではその「反日国」「反日的」といった表現はど
うか。私は、ある人に反日国とみなされた人たちの
全てが「日本にまつわるもの全てが嫌いか」と言え
ば、決してそのようなことはないと思っている。個
人単位でみれば、好きと嫌いの間には様々なグラ
デーションがある。日本のこの分野は好きでも、こ
の分野は嫌い、ということもあるだろう。逆に言え
ば、それは「親日国」と見なされた人たちもそうだ
ろう。その人たちが、日本の全てを肯定しているか
といえば、決してそうではないはずだ。
結局のところ、私がこうした表現に違和感を覚え
るのは、人を人として見ていないからだろう。個人
の属性を切り分け、そのうちのたった一部分の属性
のみで、人を判断する。そして、その判断材料にな
るべき情報源は、極論化、先鋭化が顕著になってい
る。そうした先に、果たして何が待っているのだろ
う。
私は、以前の部署で青少年交流に携わり、そこで
他国の青少年と交流する中で、当初持っていた印象
が大きく変わり、ひいては人生まで変わっていった
青少年を知っている。「国」という属性ではなく、
その国に住む「人」を見る大切さ。そうした姿勢
を、彼らから学んだ気がする。
そして、属性ではなく、人と人として対話し、理
解し、そのうえでなお、その人が嫌いなら、その時
は堂々と言えばよいのだ。「俺」は「お前」が嫌い
なのだと。自分を主語にして、堂々と。
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